GW期間中の平日を狙って,宮城県から岩手県にかけて三陸エリアを中心にドライブしてきました。平日の朝早くから行動を開始することで,GWの渋滞や混雑をかなり避けることに成功。
初日は宮城県で牛タンと松島観光,2日目は岩手県平泉の中善寺や陸前高田の奇跡の一本松を見学,3日目は宮城県気仙沼で海鮮丼を堪能し,盛り沢山のドライブとなりました。
自宅を朝7時に出発。都内は通勤時間と重なって交通量が多かったものの,常磐道に入るとガラガラの貸し切り状態。今年のGWは5月3日が帰省渋滞予測となっていて,本日5月1日は渋滞どころかむしろ空いてます。
茨木県から福島県いわき市あたりまでは,山中に自生している藤の花がたくさん咲いていて綺麗でした。旅行気分を高めてくれます。
一方,広野から浪江,南相馬までは放射線の空間線量の測定結果が数か所で表示されてました。震災の爪痕を感じます。
出発してから約400km。4時間以上走ってお昼も近くなってきました。
参考:常磐自動車道のSA/PA/IC一覧
参考:東北自動車道のSA/PA/IC一覧
最初の目的地は,仙台名物の牛タンでランチです。常磐道から仙台東部道に入り,仙台港ICで降りて車で8分。やってきたのは厚切り牛タンの有名店 たんや善治郎 です。この日は11時45分着で5組待ちでした。
注文したのは,善治郎定食3,025円税込。牛タン塩焼き,牛タンつくね,牛タンソーセージ,茹でタンの4種類が楽しめる定食で,麦めし,とろろ,テールスープも付いてました。
厚切りされた仙台の牛タンは,食べ応えがあって美味しかったです。満足。
食後は車で30分程移動して,松島にやってきました。260余りある島々の景色が美しい松島湾は,京都の天橋立,広島の宮島と共に日本三景と呼ばれる景勝地。
また,戦国武将の伊達政宗や奥の細道の松尾芭蕉にゆかりも多く,人気の観光スポットです。
お昼過ぎに到着したので第一駐車場は満車。松島海岸の端にある第5駐車場に停めました。
第5駐車場は新しく,整備されたばかりのようです。目の前に松島海岸が広がり,乗車したまま島々を眺められるので,いきなりテンション上がります。
まずは隣にある朱色の渡月橋(とげつきょう)を渡って雄島を散策。雄島は かつて霊場として多くの修業僧が修行をした場所だそうで,島内にたくさんある洞窟の中に当時の仏像が安置されてます。ちょっと心霊スポットのような雰囲気。
海岸に戻り,遊覧船乗り場の先に進むと橋が架かる2つめの島に到着。こちらはお土産屋さんもあって明かるい雰囲気です。橋は格子になっていて足元の隙間から海が見える透かし橋。島内には五大明王像が安置された重要文化財 五大堂が建っています。
お土産屋さんが並ぶ海岸沿いをさらに歩いていくと,福浦島に到着。松島のシンボルとなっている長さ250mの福浦橋が架かっています。
橋のたもとにある喫茶店で通行料200円を支払い,橋を渡って島に入ります。森の中の散策をしながら島内を巡ると30分ぐらい掛かりました。
四阿(あずまや)では,木々の隙間から隣の島が覗けます。
少し歩き疲れたので,瑞巌寺(ずいがんじ)の門前仲見世で,ずんだソフトクリーム420円を食べて休憩。
車に戻ると16時過ぎ。ちょっと散策のつもりが3時間も滞在してました。景色が綺麗で あっという間に時間が過ぎます。
潮風にあたったので,近くにあった日帰り天然温泉に寄りました。銭湯のように壁に描かれた松島の風景が素敵でした。また畳の休憩エリアがあって,少し休息できたのは良かった。
芭蕉の湯
宮城郡松島町松島字石田沢 32-1
宮城郡松島町松島字石田沢 32-1
道中のスーパーマーケットで夜食と飲み物を買い足して,古川ICから東北道に入って岩手県へ移動しました。今晩は中尊寺PAで車中泊。
車内で岩手情報をネット検索するつもりが,後部座席で横になった瞬間に寝てしまいました。1日目はこれにて終了。
翌朝は6時に起床。早く寝たので目覚めも早いです。身支度を済ませてもまだ7時で,本日予定している中尊寺の駐車場が開くまで少し時間があるので,寄り道することにしました。
平泉前沢ICで降りて一関まで戻りながら向かったのは,美しい渓谷として日本百景にも選ばれた厳美渓。
道の駅の駐車場が利用できるとのことで,早朝の隙間時間を活用するのに最適。こちらの道の駅は駐車場も広く,車中泊している方が結構いるようでした。
道の駅に車を停めて,厳美渓の吊り橋まで徒歩10分。朝の川沿いは清々しい。
途中で近隣住民の方とお話する機会もあって,楽しい散策となりました。
TVで良く見かける郭公(かっこう)屋の空飛ぶ団子のお店がありました。対岸にあるお店から,ロープを伝って籠で団子とお茶を販売してくれるサービスです。
ぜひ食べてみたかったのですが,朝9時から営業開始でした。残念。
河原でも自生する藤の花を見ることができました。
30分ほど散策を楽しんだので,中尊寺に向かうことにしました。厳美渓へ来る途中,中尊寺と毛越寺の前を通過してきたので,場所はチェック済み。
中尊寺は850年に比叡山延暦寺の円仁によって開かれ,その後12世紀初頭に奥州藤原氏によって豪華絢爛に発展しました。平安時代の文化が色濃く残ってます。
初代 藤原清衡(きよひら)は,戦で亡くなった人々の鎮魂と平和を目的に平泉に浄土の世界を作ることを目指してました。
浄土思想に基づいて造られた寺院や庭園,遺跡の一群として,2011年に世界遺産に登録されています。中尊寺とは山全体の総称で,本堂と17の支院で構成されてます。
駐車場に車を停めて参道の入口から入ると,立派な杉が連なる月見坂を上がっていきます。
朝早く来たので,先に金色堂(こんじきどう)まで進み,人が少ないうちに見学することにしました。
金色堂は1124年に建立され,中尊寺の中では創建当初から唯一残っている建造物です。全体が金箔で覆われて,漆や象牙,白く光る夜光貝の螺鈿(らでん)細工などの装飾もあって豪華絢爛。
お堂には奥州藤原氏 清衡(きよひら),基衡(もとひら),秀衡(ひでひら),泰衡(やすひら) 4代が安置されてます。
現在はコンクリート造りの覆堂(おおいどう)の中でガラスケースに収納されて保存されてます。残念ながら覆堂内は写真撮影禁止なので,金色堂の写真はありません。
金色堂を見学した後は,戻りながら支院を一つづつゆっくり周りました。
大長寿院では,山門をくぐり境内に入ると身体がスーッとして癒しを強く感じました。新緑の木々や奥にある竹林が そう感じさせたのかもしれませんが,何だかパワーを頂いた気分です。
弁財天堂は1716年に建立。数ある支院の中で唯一,池に囲まれていて庭園のような美しさがあります。
中尊寺の本堂は,1909年(明治42年)に再建されたもの。
讃衡蔵(宝物館)も見たりしたので,中尊寺には結局2時間近く滞在しました。
続いて,平泉で中尊寺と共に拝観したい毛越寺 (もうつうじ)へ。
毛越寺は,中尊寺と同じ年に円仁が創建し,第3代奥州藤原秀衡の時代には中尊寺をしのぐ規模で再興されました。当時の建築物は残っていませんが,現在でも大泉が池を中心とした浄土庭園を見学することができます。
大きく立派な本堂は,平成元年に建立されたもの。
毛越寺の浄土庭園を形成する大泉が池。東西に約180m,南北に90mの大きさで,池の中央には勾玉状の島があります。元々は南大門から金堂まで橋が架かっていたとのこと。
出島石組と池中立石は池の美しい景観の一つ。
毛越寺を周った後は,駐車場内にあるきんいろぱん屋で,ずんだソフトクリーム 350円を買って,ちょっと休憩。昨日の松島に続き ソフトクリーム2個目。
平泉で世界遺産を堪能した後は,陸前高田に移動して震災遺構の見学です。やってきたのは道の駅 高田松原。
ここは店舗の他に東日本大震災津波伝承館もあり,敷地全体は震災遺構も保存した高田松原津波復興祈念公園になってます。
参考:園内マップ
建物の入口には空と木を鏡のように映す水があり,その先は海までまっすぐ道が続いています。
道の駅にあるまつばら食堂でランチ。海鮮丼セット1,300円を頂きました。めかぶそばがホッとする味で美味しかったです。
ここはフードコートになっていて座席数も少ないので,席の確保が大変でした。休日に利用する際は注意です。
食後は公園内を散策しました。
海岸線には高さ12.5mの強固な防潮堤が造られてました。県内最大規模とのこと。
海側には松の苗木がたくさん植えられていました。津波で消失してしまった高田松原を再生するために2021年に4万本の植樹が行われたそうです。
震災の津波により跡形もなくなった高田松原で,唯一残った奇跡の一本松。残念ながら海水の影響で翌年に枯死が確認されましたが,復興のシンボルとして現在はモニュメントが残されてます。
元々高田松原の中に建っていた陸前高田ユースホステル。現在も奇跡の一本松の傍らに半壊状態の建物が残ってます。
ここで行きたかった場所はコンプリート。全部周れました。
予定では今晩車を走らせて帰宅するつもりでしたが,もう一泊して明日海鮮丼を食べてから帰ることにしました。急遽計画変更。
温泉や車中泊拠点を探すために移動です。沿岸エリアは三陸沿岸道路ができて便利。片側1車線ながら信号なく走れる自動車専用道で,大半が無料区間なので旅行者にもありがたい。
まず最初に三陸の海産物をお土産に購入しようと 道の駅 さんりくに寄りましたが,地元の人向けの品揃えでした。車中泊スポットとしても規模が小さく落ち着かない感じ。
続いて温泉に入ろうと,しゃくなげの湯っこ五葉温泉に行ったらお休み。急遽,開運 弁天の湯でお風呂に入りましたが,こちらも観光客向けではありませんでした。
ハズレ2連発。事前の調査なしに現地でネット検索しながら走り回っても,あまり良い結果は得られませんでした。 今回の反省点です。
陽が暮れてきたので,お店が多そうな気仙沼まで一気に移動することにした。
国道を走っているとまるまつというファミレスを何度も見掛けたので,休憩がてら寄ってみました。東北で展開している和食のファミレスチェーン店とのこと。
食事しながら落ち着いて作戦会議。綺麗で評判の良い道の駅 大谷海岸で車中泊することに決めました。
いよいよ最終日。
昨晩到着したときは暗くて気づきませんでしたが,道の駅の目の前は砂浜の綺麗な海水浴場でした。今回の旅行では堤防で護岸された海ばかり見てきたので,やっと海らしい景色を見た気がします。朝の散歩で海岸沿いを歩きました。
身支度を済ませて,お土産品が並ぶ 気仙沼お魚いちばへ行きました。開店前でも駐車場に車を停めれます。
漁船の並ぶ漁港沿いを10分ほど歩くと気仙沼海の市もあります。こちらは開店まで駐車場は開いていませんでした。
海の市にはシャークミュージアムなどもあって,お魚いちばより大きい施設です。
海鮮料理が食べれる飲食店が4店舗も揃ってます。
せっかく開店と同時に入店したので,カネト水産で限定20食の魚がし丼 1091円を頂きました。地元の水産会社直営店だけあって,今朝仕入れた魚が使われていてお刺身の鮮度は抜群でした。
三陸の特産品 ほやのお刺身500円も注文してみました。殻を剥いて出された身は黄色く輝いてます。酢醤油をちょっとつけて口に入れると磯の香りがハンパない。甘味と塩味,そして苦味のある複雑な味でした。
宮城は全国のホヤ生産量の8割を占めるということで,魚屋さんでもたくさん売ってました。
美味しい海鮮丼を食べて,お土産もたくさん買いました。最後に道の駅 さんさん南三陸に寄り道して,モアイ像を見学してから帰ります。
ここは南三陸さんさん商店街,震災伝承施設 南三陸311メモリアル,南三陸ポータルセンター,JR志津川駅,南三陸町震災復興祈念公園が一体となった複合的な施設の揃う道の駅となってます。
元々は震災被害を受けた志津川エリアのお店が集まってプレハブの仮設商店街からスタートした南三陸さんさん商店街。現在は飲食店やお土産店など28軒も出店している立派な観光スポットになってます。
さんさん市場で桜ソフト450円を購入。3日間毎日ソフトクリームを食べました。
こちらは さんさん商店街にある本物のモアイ像。イースター島の石で作られたモアイ像はこれまで島外に出されたことがなく,世界初となる一体です。南三陸町は1960年のチリ地震の津波被害にあって以来,チリ共和国と交流があり,このモアイ像は2013年にイースター島から贈られたもの。
参考:南三陸町のモアイスポット
中橋を渡ると隣は南三陸町震災復興祈念公園。八幡川の護岸は,お城の城壁のように強固な造り。
震災復興祈念公園には津波被害を受けた旧防災対策庁舎の震災遺構があります。祈りの丘の裏手にはJR気仙沼線の志津川駅の跡地も残されてました。駅の看板が設置されて遺構として整備されてます。
震災復興祈念公園の見学を最後にして,帰路に着きました。
牛タン定食,松島観光,平泉探索,陸前高田の海鮮丼,震災遺構見学,海の幸のお土産購入,気仙沼の海鮮丼。三陸を思いっきり楽しみました。
まとめ
- 車中泊でも2泊3日のドライブを無理せず楽しめた。
- 車中泊の旅は,朝活が最大のメリット
- 夜はちょっと暇ですぐに寝てしまった。天体観測でもするか?
- 現地で行先をネット検索してもベストな場所は見つからない。
- 事前に情報検索とクチコミチェックが大切。
- Google検索の位置情報設定をしておく。
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